研究者プロフィール

  • 現職: 博士後期課程1年(2025年現在)
  • 博士課程時代の分野: 医学、生命科学、骨格筋、運動
  • 博士課程時代の研究テーマ: 骨格筋の質を血液から評価する方法の検討

博士課程の1日の研究スケジュール

時間帯内容補足・ポイント
7:00〜8:00研究室到着
メール・実験予定確認
当日の実験スケジュールを整理する
〜9:00介入実験もしくは執筆活動長期介入であればこの時間に行う。頭が冴えている時間に執筆活動を行う
9:00-12:00実験・執筆活動 
12:00〜13:00昼食・昼寝自宅もしくは近隣の牛丼屋で昼食。7分間の昼寝を挟む
13:00〜19:00実験
19:00〜20:00夕食自宅もしくは近隣の牛丼屋で夕食。
20:00〜23:00実験・執筆活動作業系を行う
23:00帰宅
23:00筋トレ 

研究生活で使っているツール

  • 研究系ツール: Prism, office, gmail, ChatGPTアトラス
  • 仕事系ツール: ChatGPT, Claude AI, Biorender, Zotero, DeepL

研究環境

  • 指導教員数: ビッグボス1人、ボス1人
  • 指導スタイル: 毎週進捗報告のミーティングがある
  • ラボ構成: 研究室: 教員10人程度、学生25人程度 同グループ: 教員1人、ポスドク1人、技官1人、学生5人
  • コアタイム: 厳密ではないが9時から5時まで。
  • 研究室の長所: あらゆるものが揃っている。
  • 研究室の短所: 場所がわからない時がある。

プライベートとお金関連

  • 休日(研究室に行かない日)はどれぐらいある?: 土日の午前中はゆっくりしています(午後は来ています)。
  • 休日は何をしている?: カフェ巡り。
  • 主な収入(学振/RA/TA/奨学金/バイト等): 次世代研究者挑戦的研究プログラムの生活費および創発的研究支援事業による博士課程学生等へのリサーチアシスタント支援
  • バイトとの両立は可能?: 可能です。養成校や大学、研究所などでの非常勤を行いながら研究をしている人も知っています。
費目月額(円)
家賃+光熱費37000
食費30000
生活雑費10000
 学費45000
税金・保険など
娯楽費10000
その他20000

博士進学を決めた理由

私は学部に進学した時点で、将来的には博士課程まで進み、筋肉の研究に携わることを決めていました。もともと自分の身体を鍛えることが好きで、トレーニングを通して「人の身体はなぜ、これほどまでに変化するのか」という素朴な疑問を抱いていたからです。鍛錬を続けるほどに筋肉が発達し、持久力が向上し、見える世界が変わっていく。その現象の裏にある仕組みを科学的に解き明かしたいという思いが、私が研究者を志した原点です。

その興味を形にするために、まずは人の身体を体系的に学べる理学療法学科への進学を選びました。解剖学、生理学、運動学といった基礎医学を通じて、「身体とはどのように動き、どのように痛み、どのように回復していくのか」という全体像を学び、人間という存在の精密さに心から魅了されました。しかし同時に、筋肉が「どのように変わるのか」を本当に理解するには、もっと深く掘り下げる必要があると感じるようになりました。

そこで修士課程では、運動によって筋肉の内部でどのような化学的反応が起こっているのかを知りたくなり、運動生化学の道を選びました。エネルギー代謝やシグナル伝達、酵素の働きを通して、「運動とは単なる動きではなく、分子レベルの膨大な調整反応の積み重ねである」という事実を実感しました。たとえば、わずか数分の運動でも、筋細胞内では無数の分子スイッチが入り、遺伝子発現が変化していく。その緻密な制御機構に、私はますます惹かれていきました。

そして博士課程では、「筋肉が適応するとは、結局どの分子が、どのように働いているのか」という問いに真正面から挑みたいと思いました。これまで学んできた生理学や生化学の知識を土台に、今度は分子生物学的な手法を用いて、運動による筋肉の応答、トレーニングによる筋肉の適応やパフォーマンスの違いを“遺伝子レベル”で解き明かしたいと考えています。つまり、私のこれまでの道のりは「身体の変化」を知りたいという単純な興味が、階層的に深まっていった結果なのです。

学部で身体を「全体」として学び、修士で筋肉を「機能」として捉え、博士ではそれを「分子」として理解しようとする。その流れの中に、自分自身の成長と研究者としての使命を感じています。

修了後の進路

  • 自分の周りの博士学生の進路: ポスドク、企業の研究員、大学の助教
  • 博士課程のスキルについてどう思う?: 仮説、実験、考察を繰り返すことで考える力が身につく
  • 博士課程で得た研究以外の力: 筋力
  • 修了後の進路(希望): 海外研究室でポスドク
  • 将来への楽しみ
  • 将来への不安: 生活費は助成金やRAの給与に依存しているため、長期的に継続できるか分からないです。現在の収入が今後も安定して得られるかどうかに不安を感じています。

これからの博士学生への率直なアドバイス

博士課程進学前に知っておくべきこと
博士課程の入学試験では、筆記試験や口頭試問、研究計画書の提出など、大学や専攻によって求められる内容が異なります。まずは出願要件と締め切りを十分に確認しておくことが大切です。実際、出願締め切りを勘違いして進学が1年遅れてしまった人もいます。また、博士課程在学中は授業料や生活費のほか、研究活動に必要な経費もかかります。したがって、生活費の確保方法(奨学金・RA・アルバイトなど)や、研究費の調達手段(学振DC、各種助成金、研究プロジェクトなど)を事前に検討しておくことが重要です。

覚悟しておくべきこと
何もしなければ時間はただ過ぎていくだけなので、常に仮説を立てて検証を繰り返していくことが大切です。

最後に一言
No action, no discovery.