このブログでわかること

このブログでは、あらゆる分野の博士進学者に研究生活や修了後の進路など、博士課程の「あれこれ」について書いていただきました。このブログを見ている皆さんは、博士課程に少しでも興味があるのではないかと思います。そして、同時に大きな不安も抱えているかと思います。
「博士課程進学への漠然とした悩み」や「将来への不安」、「博士課程の何がいいの?」、「お金は?」…..
先輩方も同じような不安を抱いて博士課程の進学を決意したかもしれません。
先輩方の経験談や実体験から、ひとりでも多くの方が博士課程について知り、その上で進路を決めていただければと思いました。

なぜこのブログを開設するに至ったか。

2025年秋、日本人研究者がノーベル賞を受賞し、その会見で基礎研究の重要性を語りました。
経済発展や国力の源泉は科学技術であり、その科学技術は長い時間をかけた地道な「基礎研究」の積み重ねによって支えられています。短期的には成果が見えづらく、すぐに利益につながらないように思われる基礎研究こそが科学の発展と未来を形づくる土台です。
この基礎研究の多くは大学の研究室で行われ、日々研究に向き合う学生の努力が科学を前進させています。つまり、大学院で研究を行う学生は、未来の科学技術を支える存在です。しかし、主要な先進国と比較して、日本の博士課程進学率は顕著に低く、年々減少しています。論文数も中国やアメリカに大きく差をつけられ、学術的な競争力の低下が顕著です。
これは科学力の問題にとどまらず、将来の産業競争力や国の基盤そのものに関わる大きな課題であると考えます。だからこそ、基礎研究を支える教育環境の整備や、研究者(博士課程)という存在への理解が社会全体でより深まることが求められていると感じています。

私自身、博士課程への進学を決める際には、多くの不安がありました。博士学生の経験談や実体験に基づく情報は限られており、漠然とした不安を抱えながら判断しなければなりませんでした。また、日本では博士進学に否定的なイメージが根強く、「足の裏の米粒(=取っても食べられないが、取らないと気持ち悪い)」と揶揄されることもあります。こうした環境では、博士課程へ進む人が少なくなるのも当然と言えると思います。

この「大学院生の地図帳」では、博士課程の学生のリアルな研究生活やキャリアについて、さまざまな分野の学生の声をそのまま紹介しています。博士進学を肯定する意見だけでなく、悩みや葛藤も含めて、ありのままの声を届けています。そのため、このブログに掲載される記事は、「博士課程進学を推奨する」ものばかりではないと思います。しかし、このブログによって、博士進学を考える皆さんの胸の中で生まれる漠然とした不安を少しでも和らげ、博士課程をより身近に感じていただき、自分自身が納得できる進路選択へとつながることを願っています。そして、一人でも多くの学生が、博士課程という進路を検討するきっかけとなり、未来の科学を支える研究者が一人でも増えることを願っています。

協力して頂いた皆様への感謝

執筆に協力して頂いた皆様、本当にありがとうございます。この場を借りてお礼させていただきます。
また、諸事情により削除・編集したい場合は、その旨を編集者にご連絡ください。

その他

このブログについての改善点や「こんな機能があったらいいな」、「博士学生に聞きたい質問」などは、ブログ内のメッセージに送っていただけると幸いです。
反映に時間を頂戴しますが、ブログ運営に役立てていこうと思います。